
2009年4月21日
東芝テック株式会社
東芝テック株式会社は、住金物産株式会社よりアパレル業界向け電子タグを活用した店舗内商品情報収集・分析システムの開発委託を受け、平成20年度の経済産業省委託事業[IT投資効率向上のための共通基盤開発プロジェクト(繊維分野電子タグ実証実験)]に関する実証実験に参加、RFIDシステムを開発し、平成20年11月から平成21年3月末の5ヶ月間、株式会社フランドルの「クリアインプレッション 東京ベイららぽーと店、ルミネエスト店」にて、店舗における電子タグ活用について検証を行いました。
3月初旬に開催されました流通業界最大の展示会「リテールテックJAPAN 2009」にも本システムを展示し、来場者から大きな反響を得て、いよいよ国内においてもRFIDの本格的普及モデルの一つとして注目されています。

実施期間 平成20年11月~平成21年3月31日
実施規模 実施店舗数:2店舗 使用電子タグ数量:個品用タグ 約50,000枚、梱包用タグ 約 4,000枚
本実証実験の店舗で使用されたRFIDシステムは、当社が開発を担当しました。設置したRFIDシステムの内容は、1)入出荷や棚卸し時にて一括読み取りができるハンディターミナル、2)商品を複数同時に読み取ることができるPOSシステム、3)ストックと店頭の在庫移動のデータを入力するインショップゲート、4)試着室に持ち込んだ商品を認識することができるスマートフィッティング、5)手に取った商品の情報が取得できるスマートシェルフ、6)各機器のデータを収集する店舗サーバー、です。これらシステムにより収集したデータに基づき、①データ取得精度の検証、②現状の店舗運用から電子タグを運用した際の課題の抽出、③取得データを定量的に分析、④マーケティング分野への応用が可能かどうかの検証、を実施しました。
なお、今回POSシステム、スマートフィッティング、インショップゲートに使用した据え置き型リーダーライター「UF-2100-DS-R」は、Windows 環境における POS デバイス インターフェイスおよびアプリケーション サービス インターフェイスの標準化を推進している、OPOS (Open Point of Service)技術協議会の「OPOS 仕様準拠製品(POS デバイス)」として国内で初めて認定されました。

また、下図のとおり既存システムと連携し、スムーズな運用ができるかどうかの検証を行いました。フランドル様では既にマーチャンダイジングシステムを導入していますが、このシステムはSKU単位(ストックキーピングユニット)単位で構築されており、電子タグによる個品管理に対応するとカスタマイズボリュームが膨大になり、コストや期間を圧迫し実導入に高いハードルが課せられます。従って今回の実証実験では連携の容易性を図るため、RFIDシステムに当社のミドルウェアを有効活用し、開発期間、コストを抑えることにトライしました。これにより既存システムとの連携に関わる開発をした際、コスト軽減と開発期間の短縮に成功しました。

今回の実証実験では、当社として下記のような結果をまとめております。
1~4は店舗の効果で、5は店舗スタッフや本部スタッフへ、今後期待される効果です。
棚卸し時間が大幅に効率化(棚卸し期間5日の内、2時間で読み取り終了)され、差異詰め時間が増大(5日の内、4日を差異詰めに充当)したことにより精度が向上した。作業負荷軽減、精度向上による店員の士気が向上した。
平均2.5時間前後かかっていた業務が、5分以内で完了。
入荷検品時間が短縮されたことで、すぐに品出し可能、さらに梱包単位で明細があるため、すぐに商品を探すことが可能になり、機会損失の削減につながった。
複数お買上げの場合、ひとまず指定の位置にタグを置いておくと自動でPOS登録できるので、その間両手が空き、パッケージングやほかの作業などができるようになった。さらに、会計時間が短縮し、お客様と会話する時間が増えた。
これまでのSKU単位の管理から、個品管理による商品の個別の動きを把握することができ、個品単位の動きを見ることで戦略的にVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の見直し、企画などへの活用が可能となる。
当社は、平成18年度にもアパレル実証実験に参画して、システムを担当しました。そのときのRFIDシステムの完成度の高さと、過去の数多くのRFID導入実績を評価されて、アパレル業界におけるRFIDの標準化と普及を推進する「RFID推進小委員会」(事務局:(社)日本アパレル産業協会)にも参加し、今回の実証実験のメインシステムベンダーとして参画に至りました。
平成18年度の実証実験では、製造・物流・流通におけるソースタギングを用いたサプライチェーンの効率化、電子タグの活用効果の検証を実施しました。さらに生産から販売までの各段階における個品レベルの可視化、店頭における品切れサイズ切れ防止などサービスの向上、的確な消費者需要に基づく発注の最適化を検証しました。
18年度の実証実験結果は、19年度のRFID推進小委員会、20年度実証実験へと引き継がれ、課題検討とフィールドでの実証実験を行いました。
18年度の実証実験のポイントは下記の通りです。
また、過去の実績として、平成16年に阪急百貨店(現:エイチ・ツー・オー リテイリング)と婦人靴における電子タグの実証実験を実施し、その実績が評価され、平成16年度、日本百貨店協会の婦人靴実証実験に参画、17年度には、株式会社ファミリーマート、伊藤忠メカトロニクス株式会社と3社共同でコンビニエンスストア業界における電子タグ実証実験に参画しました。
これら数々のRFIDの業界普及活動に貢献している事実、さらに、数多くのRFIDソリューションの導入実績が評価され、今回も平成20年度のアパレル実証実験のシステム取りまとめベンダーを任されました。
平成18年度から当社は、海外でも既に普及が進んでいるアパレル業界に注力して、RFIDのシステム(ソフトウェア、ミドルウェア)開発および機器開発を進めており、自社製品だけでなく他社製品の機器調整やシステム連動なども、EPCglobalに準拠した技術的ノウハウを生かして、RFIDシステムのソリューションベンダーとして最先端の技術で、UHF帯のRFIDソリューションを今後もリードしていきます。
また、今回の実証実験では、当社のコア事業であるPOSシステムと連動した店舗におけるRFIDの活用モデルを実証し、国内だけでなく海外からも大きな注目を浴びており、今後は、本システムを本格的に導入検討するアパレル企業へアプローチを継続していきます。
さらに、他のRFID企業との本格的なアライアンスも視野に入れて、RFID(電子タグ)活用による業務改善と店舗売上、利益向上の実証モデルを構築します。アパレル企業に対しての導入推進を積極的に図り、本システムのノウハウを他業界へ流用することも視野に入れてRFID事業の推進していく予定です。
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